子育て・ベビー用品

チャイルドシート使用率82.4%|正しく座れているのは55.6%

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警察庁とJAFの2025年全国調査で、チャイルドシート使用率は82.4%と過去最高。一方で適切な取付けは74.8%、適切な着座は55.6%にとどまります。前年の55.7%からほぼ動いていません。誤使用の内訳まで公表資料から整理しました。

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結論

2025年の全国調査で、6歳未満のチャイルドシート使用率は82.4%と過去最高になりました。ところが同じ調査で、適切に取り付けられていたのは74.8%子どもを適切に座らせられていたのは55.6%です。しかも着座の適切割合は、前回調査の55.7%からほとんど動いていません。「使う人」は増えたのに、「正しく座らせられている人」は半分強のまま——これが公表資料から読み取れる、いちばん大きな落差です。
この記事は、その落差がどこで生まれているのかを、公表されているミスユースの内訳まで下りて整理します。

この記事でわかること

実体験メモ

先に立場を書きます。2026年10月に第一子(娘)が生まれる予定で、私はまだ子育てをしていません。チャイルドシートはNUNAの「PRUU aire」を購入済みですが、選定と購入までで、車に取り付けてもいなければ、子どもを乗せ降ろししたこともありません。だからこの記事に、取り付けてみた感想、ベルトの締め具合、車への収まり、子どもが嫌がるかどうかは一切書けません。
この記事を書いたのは、これから使う側として調べていて、「正しく座らせられている人は半分強しかいない」という数字に行き当たったからです。買う前の私は、正直「買って付ければ終わり」だと思っていました。そうではないらしい、と分かった時点で、何が起きているのかを公表資料で確かめておきたくなった——その記録です。だからこの記事は「使い方の指南」ではなく「実態の確認」に徹しています。

この記事の情報の扱いについて

本文の数値は、警察庁・日本自動車連盟(JAF)『チャイルドシートの使用状況等について(使用状況全国調査2025)』(2025年9月25日公表)、警察庁『チャイルドシート関連統計(令和7年中)』、消費者庁の注意喚起資料(2025年7月31日)、国民生活センターの報道発表資料(2026年7月1日公表)の公表PDF・公式ページを直接読み取ったものです。この記事では、取付け手順やベルトの通し方を具体的に指南しません。正しい状態は製品と車種の組み合わせごとに異なるためです。実際の取付け・着座は必ず製品同梱の取扱説明書に従い、迷う場合は販売店・メーカー・JAF等にご確認ください。お子さまの発育や体調に関する判断は、自己判断せず医師にご相談ください。

全国の使用率は82.4%——2025年調査で過去最高

まず調査そのものの輪郭から。警察庁と日本自動車連盟(JAF)が合同で実施した『チャイルドシート使用状況全国調査』の2025年結果です。

項目内容
実施主体警察庁/一般社団法人日本自動車連盟(JAF)
調査期間2025年5月10日(土)〜6月14日(土)※全国的な天候不順のため例年より延長
使用状況調査全国99箇所・調査対象13,104人/車両9,731台・聞き取りによる確認
取付け状況調査全国8地域(北海道・宮城・東京・愛知・大阪・広島・香川・福岡)計16箇所・445シート
着座状況調査同16箇所・651人
公表日2025年9月25日

取付け・着座の調査車両台数は575台です。使用率(82.4%)と、取付け・着座の適切割合(74.8%/55.6%)は、母数が違う別々の調査である点は先に押さえておいてください。前者は全国99箇所の1万3千人規模、後者は16箇所の数百規模です。

その使用率82.4%は、前回比+4.2ポイントで過去最高でした。

「不使用」と数えられているのは、乗せていない人だけではない

見落とされやすいのが内訳です。調査は「チャイルドシート使用」以外を4つに分けています。

年齢層調査人数チャイルドシート使用車両シートにそのまま着座チャイルドシートにそのまま着座大人用シートベルト着用保護者の抱っこ
1歳未満1,904人93.2%(1,775人)0.7%(13人)1.2%(23人)0.1%(2人)4.8%(91人)
1〜4歳8,595人84.8%(7,286人)6.1%(522人)4.7%(405人)2.5%(213人)2.0%(169人)
5歳2,605人66.7%(1,738人)15.7%(409人)4.3%(111人)12.9%(335人)0.5%(12人)
6歳未満全体13,104人82.4%(10,799人)7.2%(944人)4.1%(539人)4.2%(550人)2.1%(272人)

※構成比は各数値を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります(公表資料の注記)。

3列目の「チャイルドシートにそのまま着座」4.1%(539人)に注目してください。これは、車にチャイルドシートは付いていて、子どももそこに座っているのに、調査上は「不使用」に数えられているカテゴリです。6歳未満全体で539人。座らせただけでは使用にならない、という調査側の線引きが、ここに表れています。

1歳未満で目立つのは「保護者の抱っこ」4.8%(91人)です。国土交通省・警察庁のリーフレットは、抱っこについて「抱っこでは衝突時に子供の体重を支えきれません」と明記しています。

使用率は上がったのに、着座の適切割合は動いていない

ここがこの記事の核です。

同じ調査の取付け状況調査・着座状況調査の結果を、前回(2024年調査)と並べます。2024年調査の数値は、消費者庁が2025年7月31日に公表した注意喚起資料に記載されているものです。

指標2024年調査2025年調査
使用率(6歳未満全体)78.2%82.4%+4.2pt
適切な取付けの割合69.8%74.8%+5.0pt
適切な着座の割合55.7%55.6%−0.1pt

※母数は、取付けが2024年431シート→2025年445シート、着座が2024年644人→2025年651人です。

使用率は上がりました。取付けの数字も上がっています。ただし着座は、2年続けて55%台のままです。

裏返すと、2025年調査で着座のミスユースは44.4%。チャイルドシートを使っている子どものうち、4割強は座らせ方に何らかの問題がある状態です。「うちは付けているから大丈夫」という感覚と、この数字のあいだに隙間があります。

区分別に見ると、隙間はさらにはっきりします。

区分しっかり取付けミスユース調査シート数
乳児用177(80.5%43(19.5%)220
幼児用156(69.3%69(30.7%)225
合計333(74.8%112(25.2%)445
区分しっかり着座ミスユース調査人数
乳児用129(58.6%91(41.4%)220
幼児用95(42.2%130(57.8%)225
学童用138(67.0%68(33.0%)206
合計362(55.6%289(44.4%)651

幼児用シートの着座は42.2%。適切だったほうが少数派、という数字です。乳児用(58.6%)・学童用(67.0%)と比べても低い。

この数字の読み方について

取付け・着座の調査は全国8地域16箇所・445シート/651人が対象で、全国99箇所・13,104人の使用率調査とは規模も対象も異なります。「日本全体の◯%がこうだ」と一般化できる数値ではありません。それでも、外から観察して4割強に何らかのミスユースが見つかったという事実は動きません。
また、区分ごとの数値差を「どのタイプが危険か」には結びつけていません。区分によって対象の月齢・体格・使い方が異なるためです。
数ポイントの上下は標本のばらつきの範囲に収まり得るため、「取付けは改善した」と断定はできません。この記事が言えるのは、2年続けて着座の適切割合が55%台にとどまっていることまでです。

年齢が上がるほど使われなくなる|5歳は66.7%

年齢層別の推移です。2020年・2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で調査が中止されています。

調査年6歳未満全体1歳未満1〜4歳5歳
2007年46.9%73.7%47.2%25.0%
2015年62.7%85.2%64.4%38.1%
2019年70.5%88.0%72.4%48.0%
2022年74.5%89.9%76.7%53.5%
2023年76.0%92.0%78.7%55.5%
2024年78.2%91.7%80.7%57.9%
2025年82.4%93.2%84.8%66.7%

※調査は2007年から毎年実施され、上表は主な年を抜き出したものです。

2025年の5歳は66.7%で、前回比+8.8ポイント。4区分のなかで伸び幅は最大です。それでも、1歳未満(93.2%)とは26.5ポイントの差があります。

「5歳ならもういらないのでは」と考えている人へ

道路交通法の使用義務は6歳未満です(第71条の3第3項)。5歳は義務の対象内で、この点は チャイルドシートはいつからいつまで? に整理してあります。

数字として指摘できるのは、5歳の「不使用」の中身です。前掲の内訳表をもう一度見ると、5歳の不使用は「車両シートにそのまま着座」15.7%と「大人用シートベルト着用」12.9%が中心で、この2つで28.6%を占めます。1歳未満(0.7%+0.1%)とはまるで違う構図です。5歳の不使用は、忘れているのではなく「もう大人と同じでいい」という判断で起きているように見えます。

その判断について、公的機関が示している目安は次のとおりです。

身長の目安は情報源によって数字が分かれます。その整理は チャイルドシートはいつからいつまで? にまとめました。

取付けは、どこで間違えているのか

ここからが実用部分です。公表資料には、どのミスユースが何%だったかまで載っています。

この節で書かないこと

以下は「どこで間違いが起きているか」の一覧であり、正しい取付け方法の手順ではありません。チャイルドシートは、こどもの体格や固定方式などによって製品ごとに取付け方法が異なります(消費者庁)。この記事で手順を書くと、かえって誤った状態を固定させかねません。直し方は必ず製品同梱の取扱説明書と、後述の確認手段でご確認ください。

調査でチェックされた項目は11個です。

①腰ベルトの締付け不足(張力50N未満)/②座席ベルトの通し方間違い/③座席ベルトの長さ不足/④バックル側との不適合/⑤固定金具・クリップの不備・誤使用/⑥車両座面形状との不適合/⑦ロアアンカーの接続不良/⑧サポートレッグの調節不良/⑨トップテザーの調節(接続含む)不良/⑩車両シートに置いただけ/⑪その他

このいずれにも該当しない状態が「しっかり取付け」です。実際に見つかったミスユースの内訳は次のとおり。

乳児用シートの取付けミスユース(46件)割合
腰ベルトの締付け不足52.2%
座席ベルトの通し方間違い15.2%
ロアアンカーの接続不良8.7%
サポートレッグの調節不良8.7%
車両座面形状との不適合2.2%
その他13.0%
幼児用シートの取付けミスユース(95件)割合
腰ベルトの締付け不足47.4%
座席ベルトの通し方間違い16.8%
サポートレッグの調節不良8.4%
固定金具・クリップの不備・誤使用6.3%
シートに置いただけ4.2%
トップテザー調節不良4.2%
座席ベルトの長さ不足3.2%
ロアアンカーの接続不良2.1%
車両座面形状との不適合1.1%
その他6.3%

乳児用・幼児用ともに「腰ベルトの締付け不足」が最多で、いずれもミスユース件数の約半分を占めています。公表資料も、この項目を名指しでワンポイントアドバイスの対象にしています。

分母に注意してください

上の割合の分母は「ミスユース件数」であって、調査した子どもや車の台数ではありません。公表資料には「ミスユース数は、1台のチャイルドシートに対し複数計上される場合がある」と注記があり、実際、乳児用はミスユース43シートに対して46件、幼児用は69シートに対して95件が計上されています。「調査対象の52.2%が腰ベルトを締め忘れていた」ではありません。正しくは「乳児用で見つかったミスユース46件のうち52.2%が腰ベルトの締付け不足だった」です。

着座は、どこで間違えているのか

同じく着座のチェック項目です。乳児用・幼児用と学童用で、見る場所がまるで違います。

乳児用/幼児用:①体格不適合(装置に対する使用時期)/②ハーネスの高さ調節間違い(高過ぎる・低過ぎる)/③ハーネスの締付け不適正/④ハーネスのよじれ・ねじれ/⑤背もたれ角度の不適切(乳児用)/⑥その他 学童用:①体格不適合/②肩ベルトの通し方間違い/③腰ベルトの通し方間違い/④肩・腰(両方)ベルトの通し方間違い/⑤肩ベルトガイドの誤使用(装置機能の未使用)/⑥座席ベルトのよじれ・ねじれ/⑦指定ベルト外使用(2点式ベルト使用)/⑧その他

見つかったミスユースの内訳です。

乳児用シートの着座ミスユース(124件)割合
ハーネスの締付け不適正55.6%
体格不適合15.3%
ハーネスのよじれ・ねじれ14.5%
ハーネスの高さ調節間違い14.5%
幼児用シートの着座ミスユース(196件)割合
ハーネスの締付け不適正49.5%
ハーネスの高さ調節間違い21.4%
ハーネスのよじれ・ねじれ18.9%
体格不適合9.2%
背もたれ角度の不適切0.5%
その他0.5%
学童用シートの着座ミスユース(89件)割合
座席ベルトのよじれ・ねじれ31.5%
体格不適合16.9%
肩ベルトの通し方間違い14.6%
腰ベルトの通し方間違い12.4%
肩・腰(両方)ベルトの通し方間違い7.9%
肩ベルトガイドの誤使用6.7%
その他10.1%

※いずれも分母はミスユース件数で、1台のチャイルドシートに対し複数計上される場合があります。

乳児用・幼児用は「ハーネスの締付け不適正」が最多、学童用は「座席ベルトのよじれ・ねじれ」が最多でした。取付けの最多が「腰ベルトの締付け不足」だったことと並べると、取付けでも着座でも、いちばん多いのは「締める」まわりという形になっています。

締め具合について、消費者庁は「特にチャイルドシートの肩ベルトが緩んでいると、こどもがチャイルドシートから抜け出し、肩ベルトが首に掛かってけがをする危険があります」と注意喚起しています(2025年7月31日資料)。ではどこまで締めるのが適正かは製品ごとに違い、取扱説明書と実物で確認する領域です。

「体格不適合(装置に対する使用時期)」が3区分すべてに入っている点も見ておく価値があります。買ったときは合っていても、体格が変われば合わなくなる項目です。切り替え時期の考え方は チャイルドシートはいつからいつまで? に分けてあります。

別の調査でも「約半数」という数字が出ている

観察による調査だけでなく、当事者に聞いた調査でも近い数字が出ています。国民生活センターが2026年7月1日に公表した報道発表資料『パワーウインドによる事故に注意!』のなかに、チャイルドシートの使用状況を直接たずねた設問があります。

この調査は、過去5年以内に自動車のパワーウインドの操作中に、本人もしくは同乗者が身体の一部を誤って挟まれた、もしくは挟まれそうになった経験があると回答した全国20〜69歳の男女500人を対象に、2026年3月にインターネットで実施されたものです。そのうち、同乗していた乳幼児が挟まれた/挟まれそうになった経験があると回答したのは76人でした。この76人に聞いた結果が、こうです。

回答割合
対象年齢に合ったシートを、取扱説明書に従ってベルト装着51%(39人)
適合シートだが、ベルトが外れていた(取説確認の有無を問わず)15%(12人)
適合シート・ベルト装着だが取説は未確認4%(3人)
適合シート・ベルト未装着4%(3人)
対象年齢外のシート・ベルト未装着3%(2人)
チャイルドシート自体を未使用20%(15人)
その他3%(2人)

※「チャイルドシート自体を未使用」は、座席シートベルト装着5人・同ベルトが外れていた1人・同ベルト未装着9人の合計です。

国民生活センターはこの結果を、「同乗させた乳幼児がパワーウインドに挟まれたり、挟まれそうになった経験がある人の約半数では、チャイルドシートを正しく使用できていなかった可能性が考えられました」とまとめています。

この51%を一般化しないでください

この76人は、まず「本人もしくは同乗者が挟まれた/挟まれそうになった経験がある人」500人を選び、そこからさらに「同乗中の乳幼児で同じ経験がある」人を抽出した、二重にスクリーニングされた回答者です。一般の家庭で51%しか正しく使えていない、という意味ではありません。言えるのは「挟まれる事故・ヒヤリが起きた場面では、約半数で適正な使用ができていなかった可能性がある」までです。
そのうえで意味があるのは、方法がまったく違う2つの調査が近い水準を示していることです。警察庁・JAFは外からの観察で適切な着座55.6%、国民生活センターは自己申告で51%。自己申告のほうが甘く出やすいはずですが、そうなっていません。

数字が示すリスク|適正使用・不適正使用・不使用

警察庁が公表している『チャイルドシート関連統計(令和7年中)』から、致死率の表です。令和3年〜令和7年の5年合計、6歳未満幼児の自動車同乗中の数値です。

区分死者数負傷者数死傷者数致死率
チャイルドシート使用・適正使用1312,18712,2000.11%
チャイルドシート使用・不適正使用64244301.40%
チャイルドシート不使用162,8302,8460.56%
使用不明22632650.75%
3715,70415,7410.24%

警察庁はこの表について、「適正使用者の0.11%に対して、不使用者は約5.3倍の0.56%」と説明しています(倍率は小数点第3位以下も含めて算出、との注記あり)。

「不適正使用」の定義を、誤使用一般に広げないでください

公表資料の注記によれば、「適正使用」は「チャイルドシートが車両に適切に固定され、かつ、幼児等がチャイルドシートを適正に使用している場合」、「不適正使用」は「事故によりチャイルドシートがシートベルトから完全に分離している場合、幼児等がチャイルドシートから飛び出した場合等」を指します。
つまり事故の結果から分類されたもので、前章までの「ミスユース」(調査員がチェック項目で判定したもの)とは定義が違います。「ハーネスの締め方が甘い=致死率1.40%」ではありません。この記事では両者を接続していません。
表の事実として書けるのは2点です。不適正使用の1.40%は、不使用の0.56%より高い値として掲載されていること。適正使用の0.11%とは10倍以上の開きがあること(各値は公表資料の小数第2位までの表示から読み取ったものです)。

なお同じ資料によると、令和7年中のチャイルドシート使用者率(6歳未満幼児の自動車同乗中死傷者に占める、チャイルドシートを使用していた死傷者の割合)は83.5%で、前年比+2.5ポイントでした。

乗る位置と、いま実際に使われているシートの内訳

同じ調査から、あと2つ。

助手席と後部座席で、使用率が13ポイント違う

乗車位置調査人数使用不使用
後部座席11,160人84.3%15.7%
助手席1,944人71.3%28.7%

助手席については、消費者庁が「助手席にチャイルドシートを取り付けることは法律上禁止されていませんが、助手席は事故時に衝撃が集中しやすいことやエアバッグの展開によりこどもに危険を及ぼすことがあることから推奨されていません。チャイルドシートは後部座席に取り付けましょう」と明記しています(2025年7月31日資料)。国土交通省・警察庁のリーフレットも「お子様はできるだけ後部座席に乗せるようにしましょう」としています。

使われているシートの過半数は、まだ旧基準側

着座状況調査の対象651人分について、安全基準と固定方法の内訳も公表されています。

区分内訳
安全基準R44 56.4% / R129 43.6%
固定方法シートベルト 55.3% / ISO-FIX固定(コネクター) 44.7%

実際に車で使われているチャイルドシートは、この調査時点でまだ半分以上がR44・シートベルト固定でした。ここは押さえておく価値があります。消費者庁は「シートベルト固定方式よりも誤使用の少ないとされるISO-FIX固定方式のチャイルドシートを使用しましょう」と案内しているためです。

R129とR44が何なのか、どちらを選ぶべきかは チャイルドシートの安全基準R129とR44の違い にまとめてあります。この記事では「いま使われている割合」までにとどめます。

都道府県別の数字は、順位として読まない

公表資料には都道府県別の使用状況も載っています。ただし、資料自身にこう注記されています。

※各都道府県ごとに年齢層別対象数等が異なっていることから比較対象に適するものではない。

数値の幅としては、最も高いところで97.1%、最も低いところで53.5%まで開いていました。ただし調査箇所は各県およそ2箇所(全国99箇所)、対象人数も200〜400人台と、県によって条件がそろっていません。「◯◯県は使用率が低い」という読み方は、資料が明示的に否定しているものです。この記事で順位表を作らないのは、そのためです。

「合っているか」を自分で判定しない|公的に用意されている確認手段

ここまでの数字が示しているのは、「自分は正しく付けられている」という自己判定が、かなりの割合で外れているということです。外から見た調査で4割強にミスユースが見つかっているのですから、当事者が気づけていないケースが相当あることになります。

そこで、公的機関・公的資料が案内している確認手段を並べます。この記事が示せるのはここまでで、判定そのものは以下に委ねてください。

1. 製品同梱の取扱説明書

今回の調査自体が「取扱説明書に準拠した取付け状況/着座状況の確認」という方法で行われています。判定基準は取扱説明書であり、ここが出発点です。

2. 車種別チャイルドシート適合表/販売店・メーカーへの確認

消費者庁は、購入等の際に「チャイルドシートメーカーなどから出されている『車種別チャイルドシート適合表』などで、使用する自動車に取り付けられるかどうかを確認しましょう」「もし、適合するかどうかが分からない場合、販売店やメーカーに確認するようにしましょう」と案内しています。調査のチェック項目にも「車両座面形状との不適合」「バックル側との不適合」が入っており、製品と車の組み合わせの問題は実在します

3. JAFが公開している取り付け方の資料

JAFは「正しいチャイルドシートの取り付け方」を公開しており、消費者庁の資料でも参考先として挙げられています。動画での解説もあります。

4. NASVAのチャイルドシートアセスメント

国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)による製品ごとの安全性能評価で、「チャイルドシートアセスメント検索一覧」から機種名で結果を確認できます。国土交通省監修・NASVA発行の『チャイルドシート安全比較BOOK』も公開されています。

5. シートベルト・チャイルドシート着用推進協議会

消費者庁が、JAFとあわせて取付け方法の解説動画の参考先として挙げている団体です。

これは私にも当てはまります

冒頭に書いたとおり、私はチャイルドシートを買っただけで、まだ取り付けてもいません。だから「取扱説明書を読んで、適合表を確認して、分からなければ販売店に聞く」という手順を、これから自分でやることになります。この記事は、その前段で調べた内容の整理です。取り付けた結果や、乗せ降ろしの実感については、経験していないので書けません。

規格・時期の話は、別の記事に分けています

この記事は「使用率と誤使用の実態」に絞りました。隣接するテーマは、それぞれ別記事に分けてあります。

この記事で断定していないこと

まとめ

規格から確認したい方は チャイルドシートの安全基準R129とR44の違い、時期の話は チャイルドシートはいつからいつまで?チャイルドシートはいつ買う? をどうぞ。

出典・ご確認先(2026年8月時点で確認)

※統計・公表資料は更新されます。最新の数値は各公式サイトでご確認ください。安全に関わる条件は、必ず製品同梱の取扱説明書とメーカー公式の記載に従ってください。お子さまの発育や体調に関する判断は、自己判断せず医師にご相談ください。

関連記事:チャイルドシートの安全基準R129とR44の違いチャイルドシートはいつからいつまで?チャイルドシートはいつ買う?ベビー用品はどこで買う?。カテゴリ一覧は 子育て・ベビー用品 へ。

よくある質問(FAQ)

チャイルドシートの使用率はどのくらいですか?

警察庁と日本自動車連盟(JAF)が2025年5月10日から6月14日まで全国99箇所で実施した合同調査では、6歳未満全体の使用率は82.4%で、前回比4.2ポイント増の過去最高でした。調査対象は6歳未満の子ども13,104人(車両9,731台)です。年齢層別では1歳未満93.2%、1歳から4歳84.8%、5歳66.7%でした。結果は2025年9月25日に公表されています。

チャイルドシートを正しく使えている人はどのくらいですか?

同じ調査の取付け状況調査では、適切に取り付けられていた割合は74.8%(445シート中333シート)でした。着座状況調査では、適切に座らせられていた割合は55.6%(651人中362人)です。つまり使用率が82.4%まで上がった一方で、正しく座らせられているのは半分強という結果になっています。着座の適切割合は前回調査の55.7%からほぼ動いていません。

取り付けと着座で、いちばん多い間違いは何ですか?

公表資料のミスユース内訳では、取付けは「腰ベルトの締付け不足」が最多で、乳児用シートのミスユース46件中52.2%、幼児用シートの95件中47.4%を占めました。着座は「ハーネスの締付け不適正」が最多で、乳児用124件中55.6%、幼児用196件中49.5%でした。学童用は「座席ベルトのよじれ・ねじれ」が89件中31.5%で最多です。いずれも締め方・通し方に関わる項目ですが、正しい状態は製品ごとに違うため、直し方は必ず製品同梱の取扱説明書と販売店・JAFなどでご確認ください。

5歳になったらチャイルドシートはもういらないのでは?

道路交通法上の使用義務は6歳未満です(第71条の3第3項)。2025年調査での5歳の使用率は66.7%で、前回比8.8ポイント増と伸び幅は最大でしたが、他の年齢層より低い水準です。5歳の不使用の内訳を見ると「車両シートにそのまま着座」15.7%、「大人用シートベルト着用」12.9%が中心でした。JAFは6歳以上でも身長150cm未満を目安にチャイルドシートやジュニアシートの使用を推奨しており、確認のポイントは「シートベルトが首や腹部にかからないこと」としています。

チャイルドシートを使わないと、どれくらい危険なのですか?

警察庁「チャイルドシート関連統計(令和7年中)」によると、令和3年から令和7年の合計で、6歳未満幼児の自動車同乗中の致死率は、適正使用者0.11%に対し不使用者0.56%で、警察庁は不使用者の致死率が適正使用者の約5.3倍と示しています。同じ表には、チャイルドシートを使用していても不適正使用だった場合の致死率1.40%も掲載されています。ここでの不適正使用とは、事故によりチャイルドシートがシートベルトから完全に分離した場合や、幼児等がチャイルドシートから飛び出した場合等を指します。

自分の取り付け方が合っているか、どこで確認できますか?

まず製品同梱の取扱説明書と、メーカーが公開している車種別チャイルドシート適合表です。消費者庁は、適合するか分からない場合は販売店やメーカーに確認するよう案内しています。あわせてJAFが「正しいチャイルドシートの取り付け方」を公開しています。製品ごとの安全性能はNASVA(自動車事故対策機構)のチャイルドシートアセスメント検索一覧で確認できます。この記事では製品ごとに異なる取付け手順そのものは扱っていません。