子供PSCマークは2025年12月25日に始まった表示制度です。消費生活用製品安全法施行令で指定されている子供用特定製品は、乳幼児用ベッド・乳幼児用玩具・乳幼児用ベッドガード・ベビーカーの4品目。従来のPSCマーク、任意制度のSGマーク、STマークとの違いを売り場で見分けられる形に整理します。
子供PSCマークは、2025年12月25日に始まったばかりの国の表示制度です。対象は、消費生活用製品安全法施行令が「子供用特定製品」として指定した乳幼児用ベッド・乳幼児用玩具・乳幼児用ベッドガード・ベビーカーの4品目(e-Gov法令検索の現行条文で確認)。任意で取るマークではなく、製造・輸入事業者に義務が課される制度です。
売り場での見分け方は、拍子抜けするほど単純でした。枠の中に赤ちゃんの顔が描かれていれば子供PSCマーク、文字だけなら従来のPSCマークです。
ただし「マークがある=安全」でも「マークがない=危険」でもありません。品目ごとに移行期間があり、対象外の品目も多いからです。この記事は、その線引きを整理します。
この記事でわかること
- 子供PSCマークが何を保証していて、何を保証していないのか
- 対象4品目それぞれの施行日と移行期間(品目ごとにバラバラです)
- 従来のPSCマークとの見た目の違い(赤ちゃんの顔/丸とひし形)
- SGマーク(任意・賠償制度あり)とSTマークの位置づけ
- 抱っこひも・チャイルドシート・バウンサーなど「対象外の品目」で何を見るか
- 移行期間中の売り場と、中古・お下がりについて法律がどう書いているか
実体験メモ
先に立場を書きます。2026年10月に第一子(娘)が生まれる予定で、私はまだ子育てをしていません。この記事は「使ってみた話」ではなく、買い揃える側として売り場で困った話です。
妻の妊娠中に、ベビーカー(NUNA IXXA swiv)、チャイルドシート(NUNA PRUU aire)、ベビービョルンのバウンサーとベビーキャリアを買いました。そのとき私が見ていたのは、デザインと、横移動ができる機能と、畳んだときのサイズでした。タグやラベルに何のマークが付いているかは、正直まったく見ていません。
2026年8月にベビーカーの実物が届いて開封・組み立てをしたとき、カゴの警告ラベルに「KATOJI」(日本正規代理店の株式会社カトージ)の表記があることは実物で確認しました。ただし、手元の1台に子供PSCマークが付いているかどうかは、この記事では判定しません。ベビーカーは移行期間の途中で、マークの有無から適合の可否を読み取れる状況ではないからです。
調べていて驚いたのは、私が買った時期には、すでにベビーカーが子供用特定製品になっていたことです。売り場では一言も聞きませんでしたし、私も知りませんでした。だからこの記事を書いています。
この記事の情報の扱いについて
制度の内容は、消費者庁「みんなの消費安全ナビ」Vol.677(2026年1月23日)、経済産業省の製品安全ガイド(乳幼児用玩具/乳幼児用ベッドガード・ベビーカー)、e-Gov法令検索の消費生活用製品安全法および同法施行令の現行条文を直接読んで整理しました。SGマークは製品安全協会、STマークは日本玩具協会の公式ページによります。URLは末尾にまとめています。
制度・対象品目・期日は政令や告知で変わります。購入前には必ず各公式サイトで最新の内容をご確認ください。安全に関わる条件は製品同梱の取扱説明書とメーカー公式の記載に従い、事故やけがが疑われる場合は自己判断せず医療機関にご相談ください。
子供PSCマークとは、何の印なのか
消費者庁の説明を、まずそのまま引きます。
令和7年(2025年)12月25日より、こどもの製品事故を未然に防止するため、「乳幼児用玩具(3歳未満向けおもちゃ)」及び「乳幼児用ベッド(ベビーベッド)」への「子供PSCマーク」の表示制度が始まりました。
(消費者庁「みんなの消費安全ナビ」Vol.677/2026年1月23日)
同じページは、このマークが示す内容をこう書いています。「国の技術基準に適合していることが示されていることに加え、対象年齢や使用上の注意に関する文言(警告表示)を表示することが義務付けられており」。
つまり子供PSCマークは、①国が定めた技術基準への適合と②対象年齢・警告表示という、2つの義務を果たした印です。
法律上の根拠もはっきりしています。消費生活用製品安全法(e-Gov法令検索の現行条文)第2条第4項は「子供用特定製品」を、特定製品のうち主として子供の生活の用に供される製品であって、その使用方法の表示その他の子供の生命又は身体に対する危害の発生を防止するための表示が必要であると認められるものとして政令で定めるもの、と定義しています。
「表示が必要である」という理由で作られた区分——技術基準だけでなく、書いてあるかどうかを法律の義務にした、ということです。
これは任意のマークではありません
子供PSCマークは、事業者が「良い製品だから付けよう」と判断して取得するものではありません。消費生活用製品安全法第4条第2項は、子供用特定製品の製造・輸入・販売の事業を行う者は、所定の表示が付されているものでなければ販売し、または販売の目的で陳列してはならないと定めています。経済産業省も「販売事業者においては、子供PSCマークの貼られていない3歳未満向け玩具を販売することができなくなります」と書いています。
罰則も条文にあります。同法第58条第1号は、第4条第1項・第2項などの違反について1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその併科と定めています(法人については第60条第2号)。ただし、この罰則は事業者に向けたものです。個人の使用者が罰せられる規定ではありません。
対象は4品目|施行日も移行期間もバラバラ
「子供PSCマークが始まった」の一言では済みません。品目ごとに日付が違います。
消費生活用製品安全法施行令第3条は、子供用特定製品を別表第一第三号および第十三号から第十五号までと定めています。e-Gov法令検索で現行の別表第一を読むと、該当するのは次の4品目です。
| 号 | 品目(政令の定義) | 対象年齢の定義 |
|---|---|---|
| 第三号 | 乳幼児用ベッド | 出生後24月以内の乳幼児の睡眠又は保育に使用(揺動型は除く) |
| 第十三号 | 乳幼児用玩具 | 出生後36月未満の乳幼児の遊戯に使用 |
| 第十四号 | 乳幼児用ベッドガード | 出生後60月以内の乳幼児のベッドからの転落防止 |
| 第十五号 | ベビーカー | 出生後36月以内の乳幼児の運送に使用 |
施行日と移行期間は次のとおりです。
| 品目 | 表示義務の開始 | マークのない製品が売られる期間 |
|---|---|---|
| 乳幼児用玩具 | 2025年12月25日 | 2025年12月25日より前に製造・輸入されたものはマーク無しでも販売可(消費者庁) |
| 乳幼児用ベッド | 2025年12月25日 | 2027年3月24日まで従来のひし形PSCマークの製品も販売(消費者庁) |
| 乳幼児用ベッドガード | 2026年7月8日 | 2027年7月7日まで(経済産業省) |
| ベビーカー | 2026年7月8日 | 2028年7月7日まで(経済産業省) |
消費者庁Vol.677は「2品目」と書いていますが、現在は4品目です
消費者庁のVol.677は令和8年(2026年)1月23日時点の記事で、対象を乳幼児用玩具と乳幼児用ベッドの2品目としています。その後、経済産業省が「令和8年7月8日より、乳幼児用ベッドガード、ベビーカーに対する新たな規制が始まりました」と告知し、施行令も改正されました(令和8年政令第117号)。執筆時点(2026年9月)でe-Gov法令検索の現行条文を確認したところ、施行令第3条が指すのは4品目です。対象品目は今後も政令で追加される可能性があります。最新は経済産業省・消費者庁の公式ページでご確認ください。
なお、ベビーカーには除外があります。経済産業省は解釈通達での整理として、ペダル等で子ども自身の力により走行させる三輪車・乗用玩具、座席のあるキャリーケースなど運送以外の用途のもの、および病院・保育所等で使用されるために特別に設計されたものを対象外としています。一方で、デパートや遊園地で貸し出されるベビーカーは対象になるとも明記されています。
ベッドガードの背景も、経済産業省がこう書いています。出生後18月未満の乳幼児が死亡する重大製品事故が生じたといった事故実態等を踏まえ、乳幼児用ベッドガードを使用した出生後18月未満の乳幼児の睡眠は窒息等のリスクが高いと考えられ、出生後18月未満の乳幼児には使用させないこととしている製品。政令の定義は「60月以内」ですが、下限側に強い注意がある品目です。
見分け方は「赤ちゃんの顔があるか」
消費者庁Vol.677には4つのマークの図柄が並んでいます。比べると、違いは驚くほど明快でした。
| マーク | 枠 | 中身 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 子供PSCマーク(特定製品かつ子供用特定製品) | 丸 | PSCの文字+赤ちゃんの顔 | 乳幼児用玩具・乳幼児用ベッドガード・ベビーカー |
| 子供PSCマーク(特別特定製品かつ子供用特定製品) | ひし形 | PSCの文字+赤ちゃんの顔 | 乳幼児用ベッド |
| 従来のPSCマーク(特定製品) | 丸 | 文字だけ | 圧力なべ、ヘルメット等 |
| 従来のPSCマーク(特別特定製品) | ひし形 | 文字だけ | ライター等 |
枠の形(丸かひし形か)は「特別特定製品かどうか」、中身(顔があるか)は「子供用特定製品かどうか」。この2軸で4種類が整理できます。
丸とひし形の違いは「誰が検査したか」
消費者庁の説明では、特定製品のうち「特別特定製品以外」は製造・輸入事業者に自己確認(自主検査)が義務付けられ、「特別特定製品」は第三者機関の検査が義務付けられているとされています(消費者庁「安全面に配慮された製品に関する取組」)。施行令別表第二の特別特定製品は乳幼児用ベッド・携帯用レーザー応用装置・浴槽用温水循環器・ライターの4品目で、ベビー用品でこれに当たるのは乳幼児用ベッドだけです。
逆にいうと、乳幼児用玩具・ベッドガード・ベビーカーは「子供用特定製品かつ特定製品」で、経済産業省は「国の登録を受けた登録検査機関で検査をしていただく義務はなく、届出事業者自ら技術基準適合を確認いただくことでよい」としています。丸型の子供PSCマークは、原則として事業者自身が確認した結果の表示です。
警告表示も具体的です。乳幼児用玩具の場合、経済産業省は①使用年齢基準に沿って定めた対象年齢と②保護者が見守る旨(例:保護者の下で遊ばせてください)の2つを必ず表示するとし、さらに外国語や数字のみからなる対象年齢の表示は、日本語による表示に変更いただくことになりますとも明記しています。日本語で読めることまでが義務、という点は売り場でそのまま確認できます。
SGマークは「任意+賠償」。役割が違う
「PSCとSG、どっちが上なのか」は、私も最初に思った疑問でした。上下ではなく、成り立ちが違います。製品安全協会のFAQ(Q10)は、こう書いています。
SGマークは、法的に表示が義務付けられたものではありませんが、1973年に制定された「消費生活用製品安全法」を受けて創設され、現在に至っています。
任意の制度です。同じFAQ(Q4)にも「任意の表示制度であり、事業者の判断で協会に認証を申請します」とあります。取得していないことが、安全性の欠如を意味するわけではありません。
そのうえで、SGマークには子供PSCマークにはない要素があります。賠償制度です。
| SGマーク賠償制度の要点 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | SGマーク付き製品の欠陥による人的損害(治療費等) |
| 上限 | 一事故あたり1億円(この範囲内で一人当たり最大1億円) |
| 対象外 | 物的な損害、日本国外で発生した事故 |
| 期間 | 原則としてSGマークの有効期限内の事故 |
| 3要件 | ①SGマーク付き製品によって人的損害が生じた ②製品に欠陥が認められる ③事故と欠陥に因果関係が認められる |
| 手続 | 事故発生届等の提出は原則、事故発生から60日以内 |
| 減額・不支給 | 取扱説明書を読まなかった等、使う側に過失が認められる場合 |
「有効期限」の意味も、FAQ(Q12)に書かれています。品目ごとに経年劣化を考慮して設定した賠償制度の有効期間であり、有効期間を過ぎた製品は、未使用であっても使用を控え、新しいものに買い替えてくださいとされています。お下がりや長期保管品を考えるときの線引きです。
SGマークを剥がさないでください
製品安全協会のFAQ(Q11)に、実用的な注意があります。SGマークを剥がすと、事故の際に賠償措置を受けられなくなる恐れがあること。そして乳幼児用ベッドのようにPSCマークの表示が義務付けられている製品では、通常はSGマークとPSCマークが同じラベル上に表示されており、SGマークを剥がすとPSCマークも剥がすことになることです。
SG基準が定められているベビー用品は、想像よりずっと広いです。製品安全協会の「乳幼児用品」一覧(2026年9月時点)には、ベビーカー、抱っこひも、ハイチェア、ベビーゲート、ハイローラック、ベッドガード、揺動シート(バウンサー)など26品目が並んでいます。
そして、SGとPSCがつながった動きもあります。経済産業省は、2026年7月17日付で製品安全協会とノーアクションレターを取り交わし、乳幼児用ベッドガードの「幼児用ベッドガードのSG基準」、ベビーカーの「ベビーカーのSG基準(TypeⅠ/TypeⅡ)」を用いた検査が、技術基準省令第14条第1項の技術上の基準への適合を確認するために適切と認められる方法による検査に該当すると解して差し支えないと判断したと公表しています。
SG基準での検査が、国の技術基準適合確認に使える——これからのベビーカーはSGマークと子供PSCマークが同じラベルに並ぶケースが増えそうです。両者は対立する制度ではありません。
ベビーカーのSG基準とEN規格の関係、ブランド内で表記体系が分かれている実例は NUNA ベビーカー10モデル比較 に、抱っこひものSG基準(CPSA0027)と海外規格の位置づけは 抱っこ紐の落下事故138件 にまとめてあります。
STマークは「おもちゃの業界推奨マーク」
おもちゃ売り場でいちばん見かけるのがSTマークです。消費者庁の紹介はこうです。
STマークは、14歳以下の子ども向け玩具に付けられるマークで、「安全面について注意深く作られたおもちゃ」として玩具業界が推奨するものです。
(消費者庁「安全面に配慮された製品に関する取組」)
日本玩具協会によれば、ST基準は機械的安全性・可燃安全性・化学的安全性からなり、第三者検査機関によるST基準適合検査に合格したおもちゃに付けることができるマークです(1971年制定)。協会はSTマーク契約者に賠償責任補償共済制度への加入を義務付けており、補償額は対人1人1億円、対物2千万円、見舞金10万円とされています。
STと子供PSCも制度的につながっています。経済産業省は、2025年3月31日付で日本玩具協会とノーアクションレターを取り交わし、ST基準に適合することをもってISO8124-1:2022およびISO8124-2:2023に適合し、ひいては乳幼児用玩具の技術上の基準に適合すると判断することとしたと公表。日本玩具協会側も、「乳幼児用玩具」に使用する「新STマーク」(「子供PSCマーク」を並べて表示するデザイン)を定めたと告知しています。
消費者庁は、2025年12月25日より前に製造・輸入された乳幼児用玩具はマークが無くても販売できるため、そうした場合はSTマークの付いた製品をお勧めしますとも書いています。
買う物ごとに、どのマークを見るか
「対象外」は「基準が無い」という意味ではありません。見るべきマークが違うだけです。
| 買う物 | 子供PSCマーク | 主に見ることになる表示 |
|---|---|---|
| ベビーベッド(乳幼児用ベッド) | 対象(ひし形/2025年12月25日〜) | 子供PSC、SG(CPSA0023)、対象月齢 |
| ベビーカー | 対象(丸型/2026年7月8日〜) | 子供PSC、SGまたはEN、対象月齢・体重 |
| ベッドガード(乳幼児用ベッドガード) | 対象(丸型/2026年7月8日〜) | 子供PSC、SG(CPSA0136)、18月未満に使わせない旨 |
| 3歳未満向けのおもちゃ | 対象(丸型/2025年12月25日〜) | 子供PSC、ST、対象年齢、保護者が見守る旨 |
| 3歳以上向けのおもちゃ | 対象外 | ST、対象年齢 |
| 抱っこひも | 対象外 | SG(CPSA0027)、EN 13209-2、ASTM F2236 等 |
| チャイルドシート | 対象外 | R129・R44(道路運送車両の保安基準の体系) |
| バウンサー・ハイローラック | 対象外 | SG(CPSA0137/0130) |
| ベビーゲート(移動防止さく) | 対象外 | SG(CPSA0045) |
| ハイチェア・ベビーチェア | 対象外 | SG(CPSA0029/0054) |
| ベビーサークル(プレイペン) | 対象外 | SG(CPSA0093) |
「ベッドガード」と「ベビーゲート」は別物です
名前が似ていて混同しやすいのですが、子供PSCマークの対象になったのは「乳幼児用ベッドガード」(ベッドに取り付けて転落を防ぐ柵)で、階段や部屋の出入口に置く「ベビーゲート」(SG基準の名称は乳幼児用移動防止さく)は対象外です。SG基準でも別番号(0136/0045)になっています。
また、「揺動型」の乳幼児用ベッドは政令の定義から除かれています。ゆりかご型・スイング型は、同じ「ベビーベッド」という言葉で売られていても子供用特定製品ではない可能性があります。迷う製品は、メーカーか販売店に確認してください。
チャイルドシートの基準体系(R129とR44の違い、いつからいつまで使うか)は チャイルドシート安全基準2026、ベビーベッドのサイズや購入・レンタルの判断は ベビーベッドの選び方 に分けてあります。
移行期間中の売り場で、何が起きるか
いま(2026年9月)は、対象4品目のどれについても、マークのない製品が店頭に残りうる時期です。前掲の表のとおり、ベビーカーは2028年7月7日まで、ベッドガードは2027年7月7日まで、ベビーベッドは2027年3月24日まで。3歳未満向けのおもちゃも、2025年12月25日より前に製造・輸入されたものはマーク無しで売られます。
つまり、同じ棚に、子供PSCマーク付きの製品とマークなしの製品が並ぶ状態が数年続きます。
マークが無い=違法でも危険でもありません
移行期間中にマークのない製品が売られていることは、制度が予定している状態です。「マークが無い=手抜き製品」ではありません。
同時に、「子供PSCマークがあるから安全」とも書けません。制度が保証しているのは、事業者が技術基準への適合を確認し、対象年齢と警告表示を付けた、というところまでです。消費者庁がVol.677で並べている呼びかけも、使い方の話でした。おもちゃなら「おもちゃの対象年齢を守りましょう」、ベビーベッドなら「柵は常に上げた状態で使用し、収納扉や可動部分は完全にロックされていることを確認しましょう」「窒息事故防止のため、柔らかい寝具(枕、ぬいぐるみ、クッションなど)を入れるのはやめましょう」。マークの話と、使い方の話は別です。
中古・お下がり・フリマはどうなるのか
子供用特定製品だけに設けられた規定があります。消費生活用製品安全法第4条第3項第四号です。
古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)第二条第一項に規定する古物である子供用特定製品を販売し、又は販売の目的で陳列する場合において、子供の生命又は身体に対する危害の発生を防止するために必要な措置が講じられているものとして主務大臣の承認を受けたとき。
この場合は販売制限が適用されない、という規定です。中古品を扱う事業者向けの例外が法律に用意されている形です。
個人間の売買がどう扱われるかは、この記事では断定しません
第4条の名宛人は「製造、輸入又は販売の事業を行う者」です。個人がフリマアプリで手放す行為がここに当たるかどうかは条文だけからは一義的に読めないため、この記事では判断しません。気になる場合は消費者庁または経済産業省(製品安全課)にご確認ください。
そのうえで、買う側として確認できることは変わりません。対象年齢の表示があるか、警告表示や取扱説明書がそろっているか、SGマークの有効期限を過ぎていないか、リコール対象になっていないか。譲り受けるときの確認事項は ベビー用品はレンタルと購入どっち? に整理してあります。
売り場で見る順番(チェックリスト)
公式資料から言える範囲だけで、売り場での手順を組み立てました。
- その品目は子供PSCマークの対象4品目か(ベビーベッド/ベビーカー/ベッドガード/3歳未満向けおもちゃ)
- 対象なら、ラベルの枠の中に赤ちゃんの顔があるか(丸かひし形かも見る)
- 対象外の品目なら、SGやST、海外規格(EN・ASTM等)の表示があるか
- 対象年齢・対象月齢が日本語で書かれているか
- おもちゃなら「保護者が見守る旨」、ベッドガードなら「18月未満に使わせない」旨の記載を読んだか
- 取扱説明書が付いているか(中古・譲り受けは特に)
- SGマークがある場合、有効期限を過ぎていないか。ラベルは剥がさずに保管できるか
「これを満たせば安全」というリストではありません。確認できることを、確認できる順に並べただけです。
この記事で断定していないこと
- 「子供PSCマークがあれば安全」。制度が示すのは技術基準への適合と表示義務の履行までです
- 「子供PSCマークがない製品は危険」。品目ごとに移行期間があり、対象外の品目も多くあります
- 「SGマークはPSCより下」。SGは任意ですが賠償という別の機能を持ち、国の技術基準適合確認にも使われます
- 個別の製品が基準に適合しているかどうか。この記事は制度の整理で、製品判定はしていません
- 個人間売買(フリマ等)の扱いと今後の対象品目。確認したのは2026年9月時点の現行条文です
- 使用感。私はまだ子どもが生まれておらず、買った製品を子どもに使ったことがありません
まとめ
- 子供PSCマークは2025年12月25日に始まった、法律に基づく義務の表示制度。技術基準への適合+対象年齢・警告表示を果たした印
- 現行の施行令で子供用特定製品に指定されているのは乳幼児用ベッド・乳幼児用玩具・乳幼児用ベッドガード・ベビーカーの4品目(消費者庁Vol.677の時点では2品目)
- 見分け方は「赤ちゃんの顔があるか」。枠が丸なら特定製品、ひし形なら特別特定製品(ベビー用品では乳幼児用ベッドのみ)
- 移行期間は品目ごとにバラバラ。ベビーカーは2028年7月7日まで、ベッドガードは2027年7月7日まで、ベビーベッドは2027年3月24日まで
- SGマークは任意の制度で、一事故あたり上限1億円の人的損害の賠償が付く。物的損害・国外の事故・有効期限切れは対象外
- STマークは14歳以下向け玩具の業界推奨マーク。3歳未満向けでは子供PSCマークと並べて表示するデザインが定められている
- 抱っこひも・チャイルドシート・バウンサー・ベビーゲートは対象外。見るべき表示が品目ごとに違う
- マークの有無だけで安全は決まりません。対象年齢と取扱説明書が、最後の判断材料です
買う場所の決め方は ベビー用品はどこで買う? にまとめてあります。
出典・ご確認先(2026年9月5日時点で確認)
- 消費者庁「みんなの消費安全ナビ」Vol.677「こども向けの製品に関する新しい制度、『子供PSCマーク』がはじまりました!」(2026年1月23日):https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20260123/
- 消費者庁「こどもの事故防止」:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/
- 消費者庁「安全面に配慮された製品に関する取組」(PSC・SG・STほかの紹介):https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_009/
- 経済産業省「乳幼児用玩具に対して新しい規制が導入されました」(最終更新:2026年6月15日):https://www.meti.go.jp/product_safety/kodomo/gangu_kisei.html
- 経済産業省「乳幼児用ベッドガード、ベビーカーに対して新しい規制が導入されました」(最終更新:2026年6月26日):https://www.meti.go.jp/product_safety/kodomo/bedguardstroller.html
- e-Gov法令検索「消費生活用製品安全法(昭和48年法律第31号)」第2条・第4条・第13条・第58条・第60条:https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC0000000031
- e-Gov法令検索「消費生活用製品安全法施行令(昭和49年政令第48号)」第1条〜第3条・別表第一・別表第二:https://laws.e-gov.go.jp/law/349CO0000000048
- 一般財団法人製品安全協会:SGマークについて https://www.sg-mark.org/mark//賠償制度 https://www.sg-mark.org/reparation//FAQ https://www.sg-mark.org/faq//乳幼児用品一覧 https://www.sg-mark.org/product-cat/baby-and-kids-goods/
- 一般社団法人日本玩具協会:STマークについて https://www.toys.or.jp/jigyou_st_top.html/ST基準2025の施行について その1 https://www.toys.or.jp/jigyou_st_nyuyoujigangu.html
※制度・対象品目・期日は改正されます。最新の内容は必ず各公式サイトでご確認ください。安全に関わる条件は、製品同梱の取扱説明書とメーカー公式の記載に従ってください。お子さまのけがや体調に関する判断は、自己判断せず医師にご相談ください。
関連記事:NUNA ベビーカー10モデル比較/チャイルドシート安全基準2026/抱っこ紐の落下事故138件/ベビーベッドの選び方/ベビー用品はどこで買う?。カテゴリ一覧は 子育て・ベビー用品 へ。
よくある質問(FAQ)
子供PSCマークとは何ですか?
消費生活用製品安全法の改正で新設された「子供用特定製品」に表示される、国の制度によるマークです。消費者庁「みんなの消費安全ナビ」Vol.677(2026年1月23日)によると、令和7年(2025年)12月25日から表示制度が始まりました。このマークが付いている製品は、国の技術基準に適合していることに加え、対象年齢や使用上の注意に関する文言(警告表示)を表示することが義務付けられています。任意で取得するマークではなく、対象品目の製造・輸入事業者に義務が課される制度です。
子供PSCマークの対象品目は何ですか?
消費生活用製品安全法施行令第3条は、子供用特定製品を別表第一の第三号および第十三号から第十五号までと定めています。e-Gov法令検索で現行の条文を確認すると、該当するのは乳幼児用ベッド(第三号)、乳幼児用玩具(第十三号)、乳幼児用ベッドガード(第十四号)、ベビーカー(第十五号)の4品目です。消費者庁Vol.677は「令和8年1月時点」として乳幼児用玩具と乳幼児用ベッドの2品目を挙げていますが、その後、経済産業省が令和8年7月8日から乳幼児用ベッドガードとベビーカーの規制開始を告知しています。対象品目は政令で変わるため、最新は必ず公式で確認してください。
従来のPSCマークと子供PSCマークはどこが違いますか?
見た目でいちばん分かりやすい違いは、赤ちゃんの顔のイラストが入っているかどうかです。消費者庁Vol.677に掲載されている4つの図柄を比べると、従来のPSCマークは丸またはひし形の枠に文字だけ、子供PSCマークは同じ枠の中に文字と赤ちゃんの顔が描かれています。制度面では、従来のPSCマークが技術基準への適合を示すのに対し、子供PSCマークは技術基準への適合に加えて対象年齢・使用上の注意の表示義務を果たしたことを示す点が違います。枠の形は、丸型が特定製品、ひし形が特別特定製品(第三者機関の検査が義務付けられている区分)です。
SGマークと子供PSCマークはどちらが上ですか?
上下や優劣で比べるものではありません。子供PSCマークは法律に基づく義務の制度、SGマークは一般財団法人製品安全協会による任意の認証制度で、成り立ちが違います。製品安全協会のFAQは「SGマークは、法的に表示が義務付けられたものではありません」と明記しています。一方でSGマークには賠償制度が付いており、SGマーク付き製品の欠陥による事故と認められた場合、日本国内・有効期限内の事故を対象に、一事故あたり上限1億円の人的損害を賠償します(物的損害は対象外)。役割が違うので、どちらか一方だけを見れば足りるという関係でもありません。
子供PSCマークが付いていない製品は危険なのですか?
そうは言えません。制度には移行期間があり、経済産業省は乳幼児用ベッドガードを令和9年7月7日まで、ベビーカーを令和10年7月7日まで、マークのない製品も販売されると告知しています。乳幼児用ベッドについては消費者庁が令和9年3月24日まで従来のひし形PSCマークの製品も販売されるとしています。乳幼児用玩具も、令和7年12月25日より前に製造・輸入されたものはマークが無くても販売できます。また抱っこひもやチャイルドシートのように、そもそも子供用特定製品に指定されていない品目もあります。マークの有無だけで安全性を判断せず、対象年齢・警告表示・取扱説明書を確認してください。
抱っこひもやチャイルドシートには子供PSCマークは付きますか?
現行の消費生活用製品安全法施行令別表第一に、抱っこひももチャイルドシートも掲げられていません。したがって子供用特定製品ではなく、子供PSCマークの対象外です。抱っこひもは製品安全協会のSG基準(CPSA0027)が国内の基準で、これは任意の制度です。チャイルドシートは道路運送車両の保安基準に基づく別体系で、R129・R44といった型式指定の基準に沿って表示されます。品目ごとに見るべきマークが違うため、買う物ごとに確認する必要があります。